ミツバチと宇宙について
夜空を見上げると星がきれいに光っています。まだ幼かった頃の私は、星に少し警戒心を抱いていました。なぜ、星はずっと動かずに空にくっついたままなのか、もしかしたら、動かずにずっとこちらの生活を見ているのではないかという、未知なものに対して不思議で奇妙な想像を働かせていました。
地動説をテーマに描かれた「チ。地球の運動について」というアニメが人気を博していますが、人は、宇宙に対してさまざまな想像や思想を膨らませ、天文学の知識を蓄積してきました。このような時代を経て、現代では宇宙飛行士がスペースシャトルに乗り、宇宙へ飛び立つようになりました。そして、ちょうど今月の1日、米国の「アルテミス計画」の月面探査機「オリオン」が打ち上げられ、有人月周回を行い、地球から最も遠い地点に到達したと発表されました。
実は、宇宙へ行ったことがあるのは人だけではありません。ミツバチも宇宙へ行ったことがあるという記録が残っています。ここでいくつか紹介したいと思います。
- 1982年、スペースシャトル・コロンビア号は、14匹のミツバチとさまざまな昆虫を連れて行き、無重力化で飛行にどのような影響が出るのかを調査しました。ミツバチは飛ぶのを避けて、箱の内側の壁にしがみついたり、羽ばたけずに浮遊していたと記録されています。
- 1984年、スペースシャトル・チャレンジャー号では、約3,300匹の働きバチと1匹の女王バチをミツバチ格納モジュール(ミツバチを安全に飼育・観察するための専用のケース)へ入れてミツバチの活動を調査した結果、1982年の時よりもうまく適応して巣を作ることができたようでしたが、地球で作ったものよりも不規則で斜めに作られていたとのこと。また、女王バチは約35個の卵を産むことはできたが、1つも羽化することはありませんでした。
- 2018年、SpaceX CRS-15ミッションでは、アルファルファハキリバチ(ミツバチとは異なり、単独で行動する蜂)を国際宇宙ステーション(ISS)へ運ぶ実験が行われました。5匹を繭の状態で送り、ミッションの途中で羽化させて30日間カメラで観察をしました。(私が調べた限りではどのような結果になったのか公表されておりませんでした。)
この3つのミッションは、NASAのプログラムとして高校生が携わったミッションだったようです。
今回紹介したミッションのように、月や火星などの惑星で、長期的な宇宙生活が可能かどうかを確かめるためにさまざまな取り組みが行われています。その1つとして、持続可能な食糧生産が重要な課題になっています。地球上で植物や果実を育てるために必要な受粉を担っているミツバチがミッションに選ばれたことも頷けます。
これらのミッションを通じて、宇宙空間でのミツバチを初めとした昆虫の生活において適切な環境や温度管理などの多くの課題を見出すことができたようです。今後、どのように進展していくのか、またミツバチはどのような立ち位置に置かれていくのか注目していきたいです。
筆者:専務
参考記事:Bees in Space: Our Guide to NASA's Orbital Pollinator Experiments宇宙の蜂たち! |サイエンスセンター学生スポットライト:チームNESSが生きたミツバチを宇宙ステーションに送った
