【Part1】ダンスで伝えるミツバチの秘密 ― 熱狂のステージから自然界へ
暗いスタジアムの中、観客は固唾を飲んでその時を待つ。
今か今かと待ち望む人々の熱気が会場を包み込み、
期待が最高潮に達したその瞬間、舞台に光が差し込む。
大歓声と共に、アーティストが登場し、華麗なダンスと歌声を披露する。
いまは「推し活」が広く浸透し、好きなアーティストを応援するためにライブへ足を運ぶ人も増えました。人気アーティストの公演は抽選制になることも多く、チケット入手はまさに激戦です。私も昨年、約12年ぶりに来日したあるバンドのライブに応募し、幸運にもチケットを手に入れることができました。そのときの高揚感は、今でもはっきり覚えています。
さて、視点を動物の世界へ向けてみましょう。「踊る」という行動は、人間以外の動物にも見られます。代表的なのが求愛行動です。たとえばタンチョウ(鶴)は、繁殖期になるとオスとメスが向かい合い、深くお辞儀をしたり、羽を広げて舞い上がったりする美しいダンスを行います。この姿に心を奪われた人も多いでしょう。しかし、動物界には「求愛」以外の目的で、高度なダンスを巧みに操る動物が存在します。
その正体は、ミツバチです。ミツバチは、「ダンス」という記号コミュニケーションで情報を伝達する(ダンス語)を駆使し、仲間に蜜のある場所を教えます。この行動は、人間の言語や訓練されたチンパンジーの図形文字を除けば、動物界に例を見ないものであると言われています。果たしてミツバチのダンスにはどのような秘密が隠されているのか。次回は、ミツバチのダンスの正体に迫ります。
【次回へ続く】
筆者:専務