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ミツバチはどのように世界を見ているのか

2026年01月27日
ミツバチはどのように世界を見ているのか

この前、街を歩いていて、遠くにある看板を読もうとした時、ぼやけて読みにくいことがありました。この前までは読めていたはずなのに、目を細めてもなかなか読めないので、そろそろ、眼鏡を買い替えなければならないかと思いながら歩いていました。

視力について最近の研究によると、近視になる人の割合が増えているという。米国立眼科研究所では、2050年までに世界人口の半分近くが近視になると予測している。遺伝的要因だけではなく、現代は特に環境要因が大きく影響をしているのではないかといわれています。

その大きな要因の1つに、「パソコンやスマホの使用頻度の高さ」が挙げられます。

近くで画面を見る行為が長く続くと、目の負担が大きくなり、遠くのものが見えづらくなります。さらに詳しく調べると、人は近いものばかり見ていると、眼球が前後に長く伸びたり、水晶体が厚くなることでピントが合いにくくなるそうです。なるほど、そうなると、パソコンやスマホの使用時間を改め、こまめに休憩した方が良さそうです。

ミツバチはというと、生まれてからずっと近視であり、またミツバチの視界も人と大きく異なります。ミツバチは、約6000個もの小さな個眼(レンズ)がびっしりと並んだ「複眼」という目を左右に持っています。

そのため、ミツバチが見る世界は、粗い点が並んだモザイク状のような世界に見えており、花などの対象物から2,3cmの距離に近付くとようやくはっきりと見えるのだそうです。ただでさえ近視の上に非常にぼんやりとした視界の中で、どうやって目的の花に辿り着くのだろうかと心配になります。人間ならば、眼鏡やコンタクトをせずに外へ出ると支障が出るので、お手上げです。

しかし、ミツバチの視覚能力があれば目的の花を見つけることができます。ミツバチには、人間に見えない紫外線領域を見ることができるからです。多くの花(顕花植物)は、ミツバチのような昆虫に授粉をしてもらうために、紫外線をよく反射するように進化してきました。花弁(花びら)には、紫外線に反射して見える特有の模様があります。これを蜜標といいます。ミツバチは、その蜜標をたよりに目的の花に着くことができます。また、蜜標は同じ色の花であっても、植物によって異なるため、花が蜜を出すのか出さないのかを見分けることもできます。 

ミツバチのゲノムの許容量は、生まれつきすべての花の形態を記憶するには十分ではない。その代わり、ミツバチは花の性質を形成する視覚と嗅覚を統合した特徴を学ぶことができるような遺伝的な能力を持っている。[1]

生まれつきの色彩感覚と、高度な学習能力を遺伝的に持っているからこそ、たとえ視力が悪くても生活できるミツバチ。眼鏡のない生活なんて考えられない私は、早く眼鏡屋さんへ行って、新しい眼鏡を見てもらった方が良さそうだ。

 

筆者:専務
[1] ミツバチの世界 Juergen Tautz著 p85 参照

参考文献:
「ミツバチの世界」 Juergen Tautz著
「ミツバチの秘密」 高橋純一著
「急増する子どもの近視 外遊びを1日1時間強増やせば半減」 ナショナル ジオグラフィック 文=Daryl Austin/訳=荒井ハンナ
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