ミツバチが紡ぐ豊かな食卓
毎朝のトーストやヨーグルトにかける「はちみつ」。日々の生活の中で欠かせないはちみつですが、実はミツバチたちは、はちみつを作る以上に私たちの食卓にとって欠かせない存在です。今日はそのことについて話していきたいと思います。
私たちがスーパーで手に取っているりんごやみかん、ブルーベリー。これらの作物が実るためには、「受粉」が必要になります。その花粉を運ぶ役割を担っているのが昆虫です。たとえば、ミツバチは、花から蜜を集める時、体に付いた花粉が別の花へと運ばれることによって受粉が完了します。
このような昆虫の働きによって実る作物の価値は、世界中で年間約20兆円にもなり、その多くがミツバチによる受粉であると言われています。最近では、ビニールハウスの中でイチゴやメロンを育てる際にもミツバチが欠かせない存在になりつつあり、私たちの食卓を支える立役者なのです。
物理学者のアインシュタインは、ミツバチが地球上からいなくなると、人類はわずか4年しか生きられないだろうと示唆したと言われています。では、本当にミツバチがいなくなると、私たちは何も食べられなくなるのでしょうか?
作物には、昆虫による受粉がないと育たないものと、そうでないものがあります。
【昆虫による受粉が必要な作物】
果物や野菜、ナッツなどの顕花植物(花を咲かせ、実を実らせるもの)。リンゴ、イチゴ、レモン、アーモンドなど。ビタミンやミネラルなどの栄養素を取ることができます。
【昆虫がいなくても育つ作物】
お米、トウモロコシ、ジャガイモなどの主食と呼ばれる作物。これらは風が花粉を運んだり、地下茎で育つものであるため、昆虫がいなくても収穫できます。
世界全体の「生産量(重さ)」で見ると、受粉を昆虫に頼っている果物や野菜は約35%に対して、お米やトウモロコシなどの主食は約65%。つまり、ミツバチがいなくなっても、お米やイモでお腹を満たすことはできます。しかし、私たちの健康に欠かせない果物や野菜の多くが消えてしまうことで、十分な栄養が取れなくなってしまいます。
ミツバチがいなくなると、私たちの食事はとても味気ないものになってしまいます。自然の中で花粉を運んでくれるミツバチ。彼らが守ってくれている「食の豊かさ」に感謝しながら、過ごしていきたいものですね。
筆者:専務 山田
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参考資料:「もしもミツバチが世界から消えてしまったら」有沢重雄著
